配管工が底辺と言われる理由【元配管工が考察】
配管工って底辺なのかな?
現在、配管工として働いている人のなかには、このような悩みを抱えている人もいるでしょう。
- 異性に職業を聞かれて「配管工」と答えたら、急に連絡が来なくなった。
- 親や親戚に「仕事は何をしているの?」と聞かれて「配管工」と答えたら嫌な顔をされた。
上記2つは、僕が実際に経験したことです。
実際、ネットで「配管工」と検索してみると、「底辺」という候補が出てきます。
ではなぜ配管工は底辺と言われるのか?
理由を元配管工の僕が考察したので、以下で考察結果を発表していきます。
【大前提】配管工は底辺じゃない
便宜上、本記事では配管工に対して「底辺」という言葉を使っていますが、配管工は底辺ではありません。
そもそも職業に上も下もありません。働いている本人が誇りを持って働いているなら、それを第三者がとやかく言う筋合いはありません。
以上の前提を踏まえたうえで本題を読み進めていただけると幸いです。
配管工が底辺と言われる理由
配管工が底辺と言われるのには、3つの理由があると思います。
- 給料が安い
- 学歴不問
- 3K(きつい・汚い・危険)と言われていた
それぞれ説明していきます。
給料が安い
求人ボックスによれば、配管工の平均年収は417万円で、国税庁が発表している日本の平均年収461万円よりも低い金額です。
配管工の給料が低い理由は、大手からの下請けで仕事をすることが多いからです。
大手が発注元から注文を受け、配管工に注文をするので、中間マージンが発生し、配管工の取れる利益が少なくなるのです。
なので年収だけで仕事を判断する人から見ると、配管工は底辺と感じるのでしょう。
学歴・職歴不問
配管工は中卒でも就職できます。僕の勤務先には中卒が2人いて役職にも就いていました。
このため「配管工は誰でもできる仕事」というイメージを持たれやすく、このイメージが底辺という印象につながったのだと思います。
ちなみに僕が配管工になったときは「せっかく大学まで行ったのに配管工になるのは勿体ない」と多くの人から言われていました。
なのでやはり、配管工=誰でもできる仕事というイメージは今でも変わらないのだと思います。
3K(きつい・汚い・危険)と言われていた
配管工は「3K」と呼ばれており、若者から避けられる職種の1つでした。
ちなみに3Kとは、きつい・汚い・危険の頭文字を取ったもので、あまり良い意味では使われません。
きつい・汚い・危険にもかかわらず、給料は国内平均を下回るのですから、底辺と感じる人が多いのだと思います。
配管工が底辺ではない理由
冒頭にもお伝えしましたが、配管工は底辺ではありません。
理由を以下で説明していきます。
職業に優劣はない
配管工に限らず、職業に優劣はありません。
大学には偏差値があるので、底辺大学と呼ばれる大学もありますが、職業は違います。
優劣を判断する指標がないので、何をもって底辺と呼ぶのかは、人の価値観による部分が大きいです。
ある人は『給料の高い企業』、別の人は『残業の少ない会社』を良い企業と感じるかもしれません。
よって特定の職業をピックアップして底辺なのか議論すること自体、意味のないことです。
配管工は大切な仕事
配管工がなくなると、エアコンや水道が使えなくなります。
身近な存在すぎて気がつきませんが、配管工は僕たちの生活を支えてくれている大切な仕事です。
夏場にはエアコンの設置工事でスケジュールがびっしり埋まりますし、公共機関の設備入れ替えなども対応することがあります。
なので配管工は決して底辺ではありません。
今後も需要がある
配管工の仕事は多岐にわたります。
配管工の主な仕事
- 給水管
- 排水管
- ガス管
- 冷暖房換気装置
- 消火設備
- 排水処理施設
- 空気清浄装置
これらの仕事はどれも人の生活に欠かせない物なので、今後も配管工の需要は安定するでしょう。
ただし配管工の仕事は大手からの下請けがメインなので、高い給料は期待できません。
給料をアップさせるのであれば、「配管技能士」や「管工事施工管理技士」「給水装置工事主任技術者」の資格取得をするといいです。
配管工におすすめの転職先
配管工から転職を検討している人におすすめの転職先は次の2つです。
- ITエンジニア
- 営業職
それぞれの理由と仕事内容をかんたんに説明していきます。
ITエンジニア
ITエンジニアはアプリの開発やサーバーの保守運用、自社システムの構築など、さまざまな職種があります。
特別なスキルがないとエンジニアになれないと思われがちですが、そんなことはありません。
今の日本は深刻なエンジニア不足なので、未経験者を対象とした採用活動を行っている企業がたくさんあります。
経産省の報告によれば、日本のエンジニアは2030年までに最大79万人不足すると言われているほどです。
僕も配管工からIT業界に転職していますし、全然ハードルは高くないです。
配管工からITエンジニアへの転職がおすすめな理由
配管工とエンジニアには共通点がいくつかあります。
- 問題解決能力
- 配管工は配管の問題を解決し、エンジニアはシステムの問題を解決します。
この過程には似ている部分が多くあるため、すぐに適応できる可能性が高いです。
- 配管工は配管の問題を解決し、エンジニアはシステムの問題を解決します。
- 安全意識
- 配管工は設備の安全管理を、エンジニアはシステムがうまく動くか仮説と検証を繰り返します。
- 想像力
- 配管工は配管をどう組み立てるのか想像し、エンジニアはコードの書き方を逆算してコードを書きます。
これらの共通点から、配管工からエンジニアへの転職をおすすめします。
営業職
配管工と営業職には次の共通点があるため、転職しやすいです。
- コミュニケーション能力
- 配管工は作業現場でのコミュニケーションが身についており、営業職に必要な顧客との折衝能力に長けています。
- 技術知識の応用
- 配管工は配管設備に関する専門知識を持っており、営業職で技術的な製品を扱うときに知識を活かせます。
現場経験のある営業職は少ないですから、配管工としての経験は営業活動で大きなアドバンテージです。
- 配管工は配管設備に関する専門知識を持っており、営業職で技術的な製品を扱うときに知識を活かせます。
特に、配管工としての経験を活かせる業界の営業職であれば、すんなり転職できるでしょう。
営業職に転職するのであれば、営業に特化したエージェントであるマーズキャリアを利用するのがいいでしょう。
学歴や経歴に自信のない人は、ジェイックや第二新卒エージェントneo、ウズキャリは学歴関係なく利用できるので相談してみるといいですよ。
【まとめ】配管工は底辺ではない
最後に今回の内容をかんたんにまとめます。
- 給料が安い
- 学歴不問
- 3K(きつい・汚い・危険)と言われていた
配管工は3K(きつい・汚い・危険)にもかかわらず、給料が国内平均よりも安い職種です。
学歴不問で就職できるので、就職のハードルが低く、誰にでもできる仕事というイメージを持つ人が少なくありません。
しかし仕事に優劣はありません。大学のように偏差値で順位づけできないからです。
本人がプライドを持って働いていれば、どんな仕事も素晴らしい仕事です。
特定の仕事をピックアップして底辺なのか議論すること自体、意味のないことです。
もし配管工から転職するなら、おすすめなのはITエンジニアと営業職とお伝えしました。
配管工とエンジニア・営業には共通点がいくつかあり、配管工で身につけたスキルを転用しやすいからです。
もしエンジニアに興味のある人はこちらの記事、営業職に興味のある人はマーズキャリアやジェイックに相談してみるといいですよ。
というわけで今回は以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました。