人生休みたいと思ったときに役立つサービスと制度まとめ
長い人生、少し休みたいと思う時ありますよね。
休みたいけど働かないと生きていけないし…。
こんな感じで、本音では休みたいと思いながらも、無理して働いている人は多いです。
働くことは大切ですが、それ以上に大切なのは健康です。
健康でなければ大金を持っていても意味がないし、娯楽を楽しむ余裕が生まれません。
自分勝手に休むことを推奨するわけではありませんが、無理をしすぎるのも考えものです。
そこで、この記事では人生休みたいと思ったときに役立つサービスを紹介します。
実際にサービスを利用するかは別として、サービスの存在を知っておくだけでも「心のお守り」として役立つはずです。
少しだけ仕事を休みたいと考えている人は、この記事がお役に立てるはずです。
僕は1年休職している
この記事を書いている僕は、1年休職した経験があります。
休職した理由を説明すると長くなってしまうので割愛しますが、一言でいうと「パワハラ」でメンタルを病んだからです。
当時、僕は24歳で警察官として働いていたのですが、上司のパワハラと24時間勤務による激務で「適応障害」になりました。
1年休職したけど転職活動に影響はなかった
1年も休職すると、今後のキャリアに悪影響なのでは?と思う人も多いでしょう。
しかし休職しても転職活動に大きな影響はありません。
休職すると採用側から「なぜ休職していたのか」聞かれますが、休職した正当な理由を説明できれば、選考でマイナス評価されることは少ないです。
むしろ採用者のなかには、僕と同じように休職した経験のある人もおり、面接がうまくいったこともあります。
休職しても転職できた理由
僕が1年の休職期間を経て復職できたのは、ジェイックと第二新卒エージェントneoのおかげです。
これら2つのサービスは僕のような、キャリアに傷がある人を専門にサポートしている職場エージェントです。
休職していた過去をどのように採用側に伝えれば良いのか教えてくれたので、安心して就活できました。
失敗したことを評価してくれる会社もある
挫折した経験のあることを評価してくれる企業もあります。
まさしく僕が働いている会社もそうでした。
休職した状態から立ち上がって、転職活動していることを評価してくれました。
日本には約400万の会社があるので、あなたにピッタリの会社は必ず見つかります。
というわけで前置きが長くなりましたが、ここからは人生休みたいと思った時に役立つサービスを紹介していきます。
人生休みたいと思ったときに役立つサービスと制度まとめ
今回紹介するサービスと制度は以下のとおりです。
- 国民年金保険料の支払い免除
- 失業給付
- 社会保険給付金
- 生活福祉資金
- 職業訓練
- 国民年金保険
- 奨学金の減額返還、猶予申請
- キャリア相談サービス
順に説明していきます。
国民年金保険料の支払い免除
無職でも国民年金保険料の支払いは続きます。前年度の年収によりますが、無職の場合4〜8万円です。
しかし収入が減少や失業によって、国民年金保険料の支払いが困難な場合、免除制度や猶予制度が利用できます。
免除申請が承認されると保険料の納付が免除になります。
免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類です。
猶予制度の申請に承認されると保険料の納付が猶予されます。
無職ならすぐに申請が通るので、面倒くさがらずにやっておきましょう!
失業給付がもらえるか確認しておく
人生休みたいと思っても、収入が不安で休めない人は、失業給付の受講を検討してみるといいです。
過去2年間で、雇用保険に加入している期間が12ヶ月以上。
※ただし会社都合(リストラ・倒産・契約期間満了)の場合は、過去1年で雇用保険に加入している期間が6ヶ月以上あればOKです。
失業給付ってどれくらいもらえるの?
失業手当でもらえる額はこちらの式で算出できます。
- 賃金日額=退職前6ヶ月の給与総額÷180(6ヶ月 ×30日)を算出。
- 基本手当日額=賃金日額×45~80%(年齢や賃金 日額によって異なる)を算出。
- 基本手当の総額=基本手当日額×所定給付日数。
たとえば給料が25万円のケースを見てみよう!
給料25万円の人が失業給付をもらうケース
- 25万円×6ヶ月÷180日=約8,333円
- 給付率は80%~50%なので、0.5~0.8×約8,333円=約4,167~6,666円。
この計算式から、月給25万円の場合、基本手当日額はおよそ4,167~6,666円とわかります。
月給に換算すると12万円〜18万円といったところですね。
社会保険給付金
社会保険給付金は「傷病手当金」とも呼ばれ、仕事と無関係の病気やケガで働けないときに受け取れるお金のことです。
「食欲がない」「夜眠れない」など、軽い症状でももらうことができます。
日本では約1600万人が社会保険給付金を受給できるのですが、実際に受給している方は約9万人しかいません。
ほとんどの人が社会保険給付金を受給しない理由は、制度が複雑すぎることや、制度そのものを知らない人が多いからです。
この記事を読んで、この制度を知れたあなたはラッキーです。
なお社会保険給付金をもらうための条件は以下のとおりです。
- 雇用保険に12ヶ月以上加入している
- 退職日まで14日以上残っている
- 現時点で業務外の病気・ケガが原因で勤務できない人
- 4日以上仕事できなかった人
- 休業中に給料をもらっていない
- 退職日に出社していない
まとめると雇用保険に12ヶ月以上加入しており、業務外の病気やケガで働けず、お給料をもらえない人です。
業務外の病気やケガというのがポイントです。
業務中の病気やケガだと労災に認定されるため、社会保険給付金はもらえません。
先に紹介した「失業給付」と「社会保険給付金」を組み合わせると、最大2年6ヶ月の間、失業給付をもらえます。
ただし制度が複雑なので、実際に制度を活用している人はあまりいません。
仕組みを知りたい方は、退職コンシェルジュに相談してみるか、以下の記事を参考にしてみるといいですよ。
生活福祉資金の貸付を検討
「生活福祉資金貸付制度」は、低所得者や高齢者、障害者の生活を支える貸付制度です。
生活福祉資金の貸付対象となるのは以下の世帯です。
全国社会福祉協議会
- 低所得世帯…資金の貸付けにあわせて必要な支援を受けることにより独立自活できると認められる世帯であって、必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税程度)。
- 障害者世帯…身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者(現に障害者総合支援法によるサービスを利用している等これと同程度と認められる者を含みます。)の属する世帯。
- 高齢者世帯…65歳以上の高齢者の属する世帯(日常生活上療養または介護を要する高齢者等)。
貸付資金には、以下4つの種類があります。
- 総合支援資金
- 福祉資金
- 教育支援資金
- 不動産担保型生活資金
それぞれの特徴をざっくり解説しますね。
総合支援資金
総合支援資金 | |||
名称 | 貸付限度額 | 利子 | 連帯保証人 |
生活支援費 | 2人以上:月20万円以内 単身:月15万円以内 貸付期間:原則3月、最長12月以内(延長3回) | 連帯保証人あり;無利子 連帯保証人なし:年1.5% | 原則必要 ただし、連帯 保証人なしで も貸付可 |
住宅入居費 | 40万円以内 | ||
一時生活再建費 | 60万円以内 |
福祉資金
福祉資金 | |||
名称 | 貸付限度額 | 利子 | 連帯保証人 |
---|---|---|---|
福祉費 | 580万円以内 ※資金の用途に応じて上限を設定 | 連帯保証人あり;無利子 連帯保証人なし:年1.5% | 原則必要 ただし、連帯 保証人なしで も貸付可 |
緊急小口資金(注) | 10万円以内 | 無利子 | 不要 |
(注)総合支援資金および緊急小口資金については、既に就職が内定している場合等を除いて生活困窮者自立支援制度における自立相談支援事業の利用が貸付の要件となる。
教育支援資金
教育支援資金 | |||
名称 | 貸付限度額 | 利子 | 連帯保証人 |
教育支援費 | 高校:月3.5万円以内 高専:月6万円以内 短大:月6万円以内 大学:月6.5万円以内 ※特に必要と認める場合は、上記各上限額の1.5倍まで貸付可能 | 無利子 | 原則必要 ※世帯内で連帯借受人が必要 |
就学支度費 | 50万円以内 |
不動産担保型生活資金
不動産担保型生活資金 | |||
名称 | 貸付限度額 | 利子 | 連帯保証人 |
不動産担保型生活資金 | ・土地の評価額の70%程度 ・月30万円以内 ・貸付期間 借受人の死亡時までの期間または貸付元利金が貸付限度額に 達するまでの期間 | 年3%、又は 長期プライムレート の いずれか 低い利率 | 必要 ※推定相続人 の中から選任 |
要保護世帯向不動産担保型生活資金 | ・土地及び建物の評価額の 70%程度(集合住宅の場合は 50%) ・生活扶助額の1.5倍以内 ・貸付期間 借受人の死亡時までの期間又 は貸付元利金が貸付限度額に 達するまでの期間 | 不要 |
色々ありすぎてよくわからない…。
日本には、お金のない人を支援する制度がたくさんあると覚えておくといいよ。
日本に生まれた時点で勝ち組!
職業訓練の受講を検討
次に紹介するのが職業訓練です。職業訓練とは就職に役立つスキルを無料で習得できる公的な制度です。
正式には「ハロートレーニング」といい、2種類の訓練が用意されています。
- 公共職業訓練
- 失業保険を受給している人が対象
- 求職者支援訓練
- 失業保険を受給できない求職者が対象
僕は公共職業訓練を受けていました。
それぞれの特徴やメリットを解説しますね。
公共職業訓練
公共職業訓練は6ヶ月のコースが一般的ですが、なかには1年〜2年の訓練もあります。
公共職業訓練を受講すると、訓練終了まで失業給付をもらうことができます。
これを「訓練延長給付」と言います。
ただし失業保険の残り日数が少ない人は、訓練延長給付を受け取れないので注意が必要です。
ご自身が訓練延長給付を受けられるかは、以下の表を参考になさってくださいね。
【必要な残日数】(個別延長給付の日数を除く)
所定給付日数 | 90日 | 120日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 | 270日 | 300日 | 330日 | 360日 |
必要な残日数 (給付制限あり) | 30日 | 40日 | 50日 | 60日 | 70日 | 90日 | 120日 | 150日 | 180日 | 210日 |
必要な残日数 (給付制限なし) | 支給終了まで | 支給終了まで | 30日 | 60日 | 70日 | 90日 | 120日 | 150日 | 180日 | 210日 |
求職者支援訓練
求職者支援制度は、再就職、転職、スキルアップを目指す方が、月10万円の生活支援の給付金を受給しながら、無料の職業訓練を受講する制度です。
対象者は失業保険をもらえない人で、月10万円の給付金以外にも、通所手当や寄宿手当を受給できます。
求職者支援訓練で受給できる給付金一覧
職業訓練受講手当 | 月10万円 訓練を受講している期間について、要件を満たせば1か月ごとに支給します |
通所手当 | 訓練施設へ通所する場合の定期乗車券などの額(月上限42,500円) 収入要件を満たさない場合であっても、本人収入が月12万円以下かつ世帯収入が月34万円以下で他の要件を満たす場合は、通所手当のみ支給を受けることができます。 |
寄宿手当 | 月10,700円 訓練施設へ通所するために同居の配偶者、子および父母と別居して寄宿(訓練施設に付属する宿泊施設やアパートなど入居)する場合で、住居の変更が必要とハローワークが認める場合に支給します |
これだけじゃ生活費が足りないよ・・・。
それなら求職者支援資金融資を利用するといいよ!
求職者支援資金融資
求職者支援資金融資とは、職業訓練受講手当を受給しても生活費が不足する場合に利用できる制度です。
貸付額や利率は以下のとおりです。
金額 | 利率 | |
単身者 | 月額5万円 | 2%(うち信用保証料0.5%) 担保・保証人は不要 |
扶養家族のいる人 | 月額10万円×給付金の受講予定訓練月数 |
求職者支援資金融資を受給できる人
- 職業訓練受講手当の支給決定※を受けた方
- ハローワークで、求職者支援資金融資要件確認書(※1)の交付を受けた方
※1(確認書の交付要件)
・貸付を希望する理由が適当と認められる
・貸付金を返済する意思があると認められる - ・暴力団員(※2)ではない
※2「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」第2条第6号に規定する暴力団員
(注) 原則として未成年者の方は利用できません。また、最終返済時年齢は65歳です。
こんな感じで、職業訓練には求職者を支える制度が充実しています。
職業訓練を受講するために必要な手続きは、こちらの記事でまとめています。
ただし職業訓練の就職率は低く、約50%と言われているので、訓練を受けて就職しようと考えるのは得策ではありません。
職業訓練の就職率が低い理由は、以下で解説しているので参考になさってください。
国民年金保険
会社を退職するときには、在職時に使っていた健康保険証を会社に返却します。
このため退職後は、以下いずれかのアクションを取る必要があります。
- 任意継続制度の利用
- 国民健康保険への加入
- 家族の扶養に入る
これらのアクションを何もせずに医療機関を受診すると、医療費は全額自己負担になります。
同じ月に新しい健康保険証を持参すれば払い戻しを受けられますが、手間がかかります。
余計なことでストレスを抱えないためにも、手続きはなるべく早めに済ませておくことをおすすめします。
任意継続制度の利用
健康保険の任意継続制度とは、これまで勤めていた会社の社会保険に、退職後も最大2年間継続加入できる制度です。
利用できる条件や手続きは、以下の表にまとめました。
要件 | 1.資格喪失日の前日(退職日)までに継続して2ヵ月以上の被保険者期間があること ※退職せず、勤務時間・日数の減少により健康保険の資格を喪失した場合も該当します。 2.資格喪失日から20日以内に、「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること ※お住まいの住所地を管轄する協会けんぽ支部へご提出ください。 ※健康保険組合に加入していた方は、健康保険組合にて手続きをします。 |
---|---|
手続き | 1.協会けんぽの保険証をお持ちの方 お住まいの協会けんぽ支部ヘお手続きください。 2.各健康保険組合(健保組合)発行の保険証をお持ちの方 各健康保険組合ヘご相談ください。 |
任意継続の期間 | 最大2年間 |
メリット | 1. 国民健康保険よりも保険料を抑えられる場合がある 2. 家族の扶養を外さなくていい |
協会けんぽに加入している月収40万円以上の人は、国民健康保険に切り替えるよりも、健康保険を任意継続したほうが保険料を抑えられる場合があります。
国民健康保険料の負担額は市区町村ごとに異なるので、事前に問い合わせて確認しておくといいですよ。
国民健康保険への加入
任意継続制度を利用しない場合は、国民健康保険に加入します。
保険料や給付内容は自治体によって異なるので、お住まいの自治体に問い合わせて確認しておきましょう。
月収30万円の人は、任意継続よりも国保に切り替えた方が保険料が安くなる傾向があります。
家族の扶養に入る
年収が130万円未満の場合、家族が加入している健康保険の扶養に入れる場合があります。
扶養に入れば、自分で保険料を納めなくてもいいので、退職後の負担を軽減できます。
ご家族が加入している健康保険に問い合わせて、要件を確認しておくといいですよ。
奨学金の減額返還、猶予申請
奨学金を借りている人は、減額返還や猶予申請をしておくと、金銭的な負担を減らせます。
それぞれの制度の内容は以下のグラフにまとめました。
減額返還 | 猶予申請 | |
内容 | 奨学金の返済額を2分の1や3分の1、4分の1、3分の2に減額できる。 | 一定期間返還期限を先送りする制度 ※返還すべき元金や利子が免除されるものではない点に注意 |
対象者 | ・年間収入金額400万円以下(年間所得金額300万円以下) ・本人が扶養している子供の人数が2人の場合は年間収入金額500万円以下(年間所得金額400万円以下) ・3人以上の場合は年間収入金額600万円以下(年間所得金額500万円以下) | 災害、傷病、経済困難、失業などの返還困難な事情が生じた人 |
申請は書面とスカラネットパーソナルのお好きな方で可能です。
キャリア相談サービス
キャリア相談サービスとは、その名のとおりキャリアの悩みやモヤモヤを相談できりるサービスです。
ここ数年でサービス認知度が拡大しており、知る人ぞ知るサービスです。
僕自身、いくつかキャリア相談サービスを利用しましたが、特に良かったのは以下3つのサービスです。
いずれのサービスも無料体験を受けることができるので、試しに受けてみると新たな気づきを得られるかもしれません。
まとめ:紹介したサービスを頭の片隅に置いておくだけでいい
今回は人生を休みたいと思ったときに役立つサービスや制度を紹介しました。
たくさん紹介したので混乱しているかもしれませんが、頭の片隅に置いておくだけでも心の安定につながると思います。
「いざという時は休める」と思うだけで、心がラクになるはずです。
それでは今回は以上です。
しんどい時は無理せず休んでくださいね。