警察官は楽すぎ?離職率が高いのはどうして?元警察官が徹底解説!
警察官って楽そうだよな〜。ちょっと試験受けてみようかな!
このように考えているなら、ちょっと待ってください。
令和3年における警察官の離職者数は9,279人で、うち普通退職者が3,833人(41.3%)です。
退職者のうち10人に4人が定年前に退職しています。
(参照:総務省『令和3年地方公務員の退職状況等調査』)
なので『警察官楽すぎw』というのは間違った情報です。
勤務地によっては楽な場合もありますが、忙しい部署に配属されたら寝る暇もないです。
本記事では元警察官のボクが、警察官の仕事は楽すぎ?という疑問にお答えしていきます。
これから警察官になろうと思っている方は、参考になさってください。
すでに警察官を退職しており転職先を探している方は、以下のエージェントを使うとスムーズに転職先が見つかります。
以下3つはボクが警察官から転職するときに利用したエージェント!
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では本題に入っていきます。
警察官は楽すぎ?ブラック度を検証してみた
「ブラック企業」の一般的な特徴として以下の3つがあげられています。
参照:厚生労働省
以上3つの特徴を、警察官が満たしているのかチェックしていきます。
労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
この特徴は警察官も満たしています。
2018年にボクが所属していた警察署では職務質問のノルマがありました。
このとき24歳だったボクは一睡もせずに職務質問をしていました。
一睡もしなかった(できなかった)理由は、課長から「寝ずに仕事しろ」と言われたからです。
警察はタテ社会で、上からの命令は絶対なので、寝ずに仕事をしろと言われたら従うしかありません。
この結果1ヶ月で5人の若手警察官が退職。ボクも睡眠障害になり退職。
この一件によって当時の課長はいなくなりましたが、このような古い体制で働いている警察署も残っています。
なので「警察官の仕事は楽すぎ」と決めつけるのは危険です。
配属先によっては時代遅れの働き方をしている署はあります。
賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
賃金不払残業
少なくとも、ボクが警察官だった2018〜2020年のあいだは、サービス残業やパワハラは当たり前でした。
たとえば大きな事件・事故が起きたら処理が終わるまで帰れないので、この時点で残業確定。
もし帰れたとしても、休日出勤して書類を作成しなければなりません。
申請すれば残業代がもらえるそうですが、ボクの周りに申請している人はいませんでした。
パワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
パワハラについても当たり前でした。
「死ね」「バカ」などの暴言を言う係長(警部補)がいたので、警察署の雰囲気は最悪。
適応障害やうつ病で休職する部下が後を断ちませんでした。
ボクもその1人でして、適応障害とうつ病になり1年間休職していました。
これは警察に限った話ではありませんが、ハラスメント気質の人がいると、いくら仕事にやりがいがあっても、働き続けるのは難しくなります。
警察組織の場合、閉鎖的な空間+階級社会ということもあり、ハラスメント気質の人が多くなりやすいです。
このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う
『過度の選別』とはいわゆる『好き嫌い』のこと。これは警察に限らず、どの職場にもあることでしょう。
ボクが警察官時代に体験したのは、交番に勤める上司Uが、部下のKと不倫したため、田舎に左遷させられた一件です。
この上司は人口3,000人のド田舎で勤務することになり、奥さんとも離婚。不倫相手だったKとも遠距離になり破局したそうです。
ほかにも、1人の女性警察官が7人の警察官と不倫していた件もあります。
この件はYouTubeでも取り上げられています。
結論:警察官の楽すぎレベルは30点
ここまで説明してきた内容をふまえると、警察官の楽すぎレベルは30点となりました。
- 0点〜30点:ブラック企業
- 30点〜50点:ややブラック企業
- 50点〜70点:普通の会社
- 70点〜90点:ホワイト企業
- 100点:超ホワイト企業
警察官が楽すぎレベル30点になった理由は以下のとおり。
それぞれ解説していきます。
警察学校は意外と楽しい
警察学校は大変そうなイメージがあると思います。
たしかに大変なんですが、最初の1か月を乗り越えれば教官たちが優しくなるし、生活リズムも慣れるのでラクになります。
球技大会や駅伝大会などのイベントも定期的に開催されていたり、学生同士の恋愛は禁止なのですが、コッソリ恋愛している人もいたりして、ちょっとした青春を味わえるのも魅力の1つ。
それから意外と知られていないんですが、警察学校で勉強しているときも給料とボーナスが支給されるのも嬉しいポイントです。
あとは規則正しい生活習慣が身につくのもメリットだよ。
事件・事故がなければラク
めったにないのですが、事件・事故が一件も発生しなければ警察の仕事はかなりラクです。
当時のボクは、世界で1番日本の平和を願っていた自信があるよ!
治安の良いエリアに配属されたらラク
新人警察官は、警察学校を卒業するときに配属先を告げられるのですが、ここで警察人生が決まります。
暇すぎるエリアに配属されると、仕事を覚えられませんが、忙しすぎるエリアに配属されても仕事がイヤになって退職したくなります。
ボクは忙しいエリアに配属されたので、一睡もせずに仕事することが多かったよ!
たとえば北海道の薄野(すすきの)交番では眠る暇がなく、ボクが現役だったころの薄野交番では、若手警察官は一睡もしてはいけないルールがありました。
薄野交番の様子は以下の動画が参考になるよ!
本当に楽すぎ?若い警察官の離職率が高い理由
令和3年における警察官の離職者数は9,279人で、うち普通退職者が3,833人(41.3%)。
10人に4人が定年前に退職しています。
また普通退職者3,833人のうち、25歳未満が1,407人(48.7%)、25歳以上35歳未満が581人(20.1%)。
約7割の警察官が35歳未満で退職することが明らかになっています。
どうして若い警察官の離職率が高いの?
若い警察官の離職率が高い理由は以下のとおりです。
それぞれ解説していきます。
老害が多い
言葉は悪いですが、警察には老害が多いです。ただしこれは仕方のないことです。
なぜなら昔の警察官は、今の時代より厳しい上下関係で仕事をしていたからです。
聞いた話によると、上司が若手時代は殴る・蹴るは当たり前だったそう。
そんな環境で育った警察官たちが、今は上司になっているので、部下のボクたちにキツい対応をしてしまうのです。
しかしどんな理由であれ、ハラスメントはいけないことです。
今はハラスメントにうるさい時代ですし、ほとんどの会社がハラスメントをしないように気をつけています。
にもかかわらず警察官は閉鎖的な組織なので、働き方改革が遅れており、化石のような働き方を続けています。
このような時代遅れの働き方にガッカリした新人が退職するため、若い警察官の離職率が高いのです。
選べる仕事が増えた
現在、日本には約1万7000種類以上の仕事があると言われています。
なので仕事が向いてないと思ったら、すぐに退職する若者が増えました。
老害は「今の若者は忍耐力がない」と言いますが、それは的外れな意見です。
なぜなら今の若者は約1万7000種類以上の職業の中から好きな仕事を選べるからです。だから若者は苦しいことを耐える必要がないんです。
実際、2021年の調査では20代の2人に1人は転職を経験していると言われています。(参照:「社会人の転職に関する調査」)
転職が当たり前の時代になった
昔は1つの企業で長く働くことが正解でしたが、今は大企業のトヨタですら終身雇用を維持するのは難しいと発言しました。
なので1つの会社で働き続ける時代は終わり、転職が当たり前の時代になりました。
2019年の転職者数は過去最多の351万人です。
グラフを見ると、右肩上がりで転職者数が増えているのがわかるね。
今後、ますます転職者が増えていくでしょう。
警察官の人気が下がっている
警察官の人気は年々下がっています。
たとえば北海道警察の令和4年度の倍率は2.7倍(男性A区分※)です。
※A区分 | 大学などを卒業又は卒業見込みの者(高度専門士を含む。) |
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一方で、平成10年の倍率は25.3倍です。(参照:北海道人事委員会年報)
少子高齢化の影響もありますが、それだけでは片付けられないほど警察官を志望する若者が減っているのです。
また令和4年度に行われた、警察官の体力試験合格者平均値を見ると、腕立て伏せが1回もできない人が合格していることがわかります。
腕立て伏せができない若者を採用する…。今の警察官はそれほど人材不足ということです。
理想と現実のギャップが大きい
理想と現実のギャップが大きいのも、若手警察官の離職率が高い原因です。
じつは警察官は身体を動かすよりも事務仕事が多いです。この事実を知らないまま警察官を目指しているなら、やめておいたほうが良いです。
関連記事:【元警察官が語る】ならない方がいい人・なったほうがいい人
まとめ:警察官が楽すぎるなんて嘘
まとめると、今の時代で警察官を目指すのはちょっと勿体ないかなって感じです。
なぜなら警察官の仕事を頑張っても、使えるスキルは身につかないんですよ。
しいて言うなら安全運転ができるから、トラック運転手へ転職しやすかったり、警備会社への転職が有利になるくらい。
もちろん警察官もステキな仕事です。今の日本が平和なのは警察官のおかげですから。
ですが自分の子供が警察官になりたいって言ったら、ボクはストップかけます。
人生何があるかわからないので、もっと潰しの効く仕事を選んでほしいかな…と。
いったん警察以外の選択肢も考えてみよう
あなたが警察官を目指すのは自由ですし、素晴らしい選択だと思います。
ですが”警察官しか勝たん”と思っているなら、ちょっとだけ視野を広げて警察官以外の仕事もチェックしてみるの悪くないかと。
軽いノリで警察官になると、すぐに退職してしまい、経歴にキズがついちゃいますから。
そんなこと言っても、警察官以外にやりたいことが思い浮かばないよ〜
って人は知識不足なだけ。子供に好きな食べ物を聞いても、寿司やラーメン、ハンバーグしか答えられないのと同です。
なので警察官以外にやりたいことが思い浮かばないなら、就職エージェントに相談したりAI診断ツールのASSIGNを使ってみるといいですよ。
就職エージェントはプロなので、あなたにピッタリの求人を紹介してくれますし、ASSIGNは高精度のAIを搭載しています。
あなたに向いてる仕事を見つけるのに役立つはずですよ。
仕事は人生を左右することです。勢いやノリだけでなく、慎重に選びましょう〜!
ってなわけで今回は以上です。あなたの仕事選びがうまくいくことを祈って、本記事を終えたいと思います。
それでは〜(^^)/~~~
関連記事:警察官は誰でもなれるけど離職率が高いからやめとけ。