鬱で仕事辞めたら人生終わりと言われる本当の理由|社会復帰するには?
結論:鬱で仕事辞めたからといって人生が終わるわけではありません。
しかし鬱は非常に重たい病気で、再発率が非常に高いです。
一説によれば約60%が再発すると言われており、2回目は70%、3回目は90%の確率で再発すると言われています。
つまり鬱で仕事を辞めると、2回、3回と繰り返す可能性が高いのです。
さらに、鬱は3〜4年で再発するケースもあれば、数10年後に再発するケースもあるため、完治したと思っても再発する場合があります。
なので鬱で仕事を辞めたら、ずっと鬱と付き合っていく必要があるのです。
このような理由から、鬱で仕事を辞めると人生終わりと言われます。
しかし、しっかり対策すれば鬱で仕事を辞めても、人生を終わらせずに済みます。
この記事を読めば、鬱で仕事を辞めても人生終わりではない理由がわかりますよ。
鬱で仕事辞めたらといって人生終わりではない5つの理由
- 鬱は治るから
- キャリアチェンジのきっかけになるから
- 自己成長につながるから
- 自己理解が深まるから
- スキルアップの機会を得られるから
それぞれ解説していきます。
鬱は治るから
鬱は病気なので、きちんと治療すれば治ります。風邪と同じです。
治療のみちのりは険しいですが、心療内科や精神科で専門家で投薬治療や心理療法、生活指導を受け、素直に実践すれば必ず治ります。
僕の場合は、朝9時までに起きて、30分以内に朝日を浴びるように、病院の先生から指示されました。
意外と簡単なことの積み重ねで、鬱の症状は良くなります。すぐに治ることはありませんが、諦めなければ必ず治ります。
そして治療のプロセスで身につけた健康的な生活習慣は、鬱が治ったあともあなたの財産となります。
なので鬱で仕事を辞めたからといって人生終わりではありません。
僕は治るまで1年かかったよ。
キャリアチェンジのきっかけになるから
鬱で仕事を辞めると、当然ですがこれまでと同じ働き方はできません。
人によっては働き方を変える必要があります。しかしこれは決してネガティブなことではありません。
今の時代は正社員以外の働き方として、フリーランスや個人事業主、リモートワーク、ギグワーク、非正規雇用などの働き方があります。
また、今の時代は正社員でも終身雇用を保障されているわけではありません。
なので鬱で仕事を辞めたからって人生終わりではありません。
むしろ鬱がキッカケで自分に合う仕事と出会うことができ、人生が好転する可能性すらあります。
自己成長につながるから
鬱の治療は簡単ではありませんが、乗り越えようとするプロセスで精神的に強くなれます。
僕自身、5年前に鬱を治したのですが、この経験のおかげで多少の困難では凹まなくなりました。
また自分の思考や行動パターンに気づくことができ、自己理解が深まったと感じます。
たとえば僕は鬱になってから、以下のことを自問自答していました。
- 自分にとっての幸せとは?
- 死ぬまでにやりたいことは?
- 仕事をしなくても生きていく方法は?
- メンタルを病まない働き方は?
- 自分の強みを活かせる仕事とは?
- どうして鬱になってしまった?
- もし生まれ変われたらどんな生き方をする?
これらの問いに自問自答することで、自分が生きる意味を明確にできました。
「鬱になってよかった」とは言いませんが、鬱のおかげで人生が少しだけ充実したように感じます。
自己理解が深まる
鬱はとても苦しく、大きな挫折経験となります。
しかし自分と向き合うことができる貴重な時間でもあります。
- 鬱になった原因
- 自分の苦手・嫌なこと
- 自分の限界値や弱み
- 改善点
これらの目を背けたくなるような事実とも向き合うことになります。
これによって自己理解が深まり、これまで以上に成長できます。
鬱のときは絶望しか感じませんが、鬱が完治したあとは「あの経験があったから今の自分がある」と言えるようになりますよ。
スキルアップの機会を得られる
鬱によって休職や退職をすると時間にゆとりが生まれるので、今まで体験できなかったことにチャレンジする機会を得られます。
僕は鬱で休職している間に、ブログやプログラミング、Webデザインを学びました。
この経験によって自分に自信を取り戻すことができ、今の仕事にもつながっています。
鬱のときに無理は禁物ですが、心に余裕が生まれたらスキルアップに向けたアクションを起こしてみるといいですよ。
鬱で仕事を辞めたら人生終わり?僕の実体験
ここまでは鬱で仕事を辞めても人生終わりではない理由5つを紹介しました。
ここからは鬱で仕事を辞めた僕の実体験を色々お話しします。
鬱への理解が乏しい人・職場が多い
鬱は甘えだ!!
鬱は他の病気と異なり、外見からは症状がわかりにくいです。
このため鬱を元気がないだけ、働きたくないだけ、甘えているだけと誤解する人も多いのが実情。
鬱になっても周りに言い出せず、さらに症状を悪化させることも多いです。
転職活動のハードルが上がる
鬱を経験していると転職活動のハードルが上がります。
たとえば鬱を経験している人は、メンタルが弱い、忍耐力が弱い、能力が低い、長期休暇しやすいと誤解されやすく、企業から採用を見送られやすいです。
ただし鬱だったことが業務に支障を与えないのであれば、転職活動で伝える必要はありませんので安心してくださいね。
運が悪いと誰でも鬱になる
鬱はメンタルが弱い人の病気と思われがちですが、そんなことはありません。
スポーツと勉強ができるイケメンで、クラスの人気者だった人でも鬱になります。
- 上司からのパワハラ
- 会社の雰囲気が合わない
- 残業が月に80時間以上ある
- 気軽に悩みを相談できる相手がいない
どんなにメンタルの強い人でも、上記のような環境で働いていたら鬱になります。
僕は警察官の働き方が合わずに、わずか1年で鬱になったよ。
メンタルヘルスに理解のある企業もある
鬱への理解は少しずつ広まっており、企業のなかには社員のメンタルケアに力を入れいている企業もあります。
- テレワークやフレックス制度の導入
- NO残業デーの導入
など…。
まだ数は少ないですが、従業員が働きやすい環境づくりに力を入れている企業も多いです。
鬱で仕事を辞めたけど人生終わりにならなかった話
ざっくりですが、鬱で仕事を辞めたけど人生終わらなかった理由は以下のとおりです。
時系列に沿って紹介します。
パワハラと24時間勤務で精神崩壊。
1年で10キロ太る。
知人に誘われる形で社会復帰。
こんな感じですね。
決して自慢できるような経歴ではないんですが、今はなんとか社会復帰でき、企業の採用担当をしています。
鬱で仕事を辞めたら人生終わりやすい
先述したように、鬱で仕事を辞めた僕ですが今はなんとか社会復帰しています。
しかし社会復帰するまでに5度の転職を経験しています。
5度も転職してしまったのは、鬱によるメンタルのアップダウンがあったからだと自負しています。
鬱は約60%が再発する
鬱は約60%が再発し、2回目は70%、3回目は90%の確率で再発すると言われています。
なので鬱を1度経験すると再発するリスクと戦い続けなくてはなりません。
実際、僕も鬱を1度再発させており、そのたびに転職していました。
鬱は生き方を見直すチャンス
鬱は重たい病気で、場合によっては人生を狂わせますが、悪いことばかりではありません。
鬱になるということは、何かしらの原因があるので、そこさえクリアできれば長い人生を有意義に過ごせます。
僕の場合は、自己否定しがちなタイプで、仕事やプライベートでうまくいかないことがあると自分を責めていました。
このため自分で自分の首を絞めてしまい鬱になりました。こうして自分を客観視できるようになったのも鬱のおかげです。
なぜ鬱で仕事辞めたら人生終わりと感じるのか
鬱で仕事を辞めたら人生終わりと感じてしまう以下の5つです。
- 経済的な不安
- 孤立や疎外感
- 自信を失う
- 生きる意味を見失う
- 周りからの視線が気になる
経済的な不安
仕事を辞めると、収入が途絶えるので経済的な不安が大きくなります。
経済的な不安が大きいと、適切な治療を受けられずさらに鬱を悪化させる場合があります。
鬱は適切な治療を受ければ治る病気なので、経済的な不安のせいで治療を受けられないのはもったいないことです。
失業保険や生活保護などの制度を活用し、経済的な不安を解消しておくとよいでしょう。
孤立や疎外感
鬱で仕事を辞めると、社会とのつながりが薄れ、孤立や疎外感を感じることがあります。
元々1人で過ごすのが好きな人であれば問題ありませんが、誰とも関わらない生活を長く続けるとメンタルを病みやすいです。
僕は1人っ子なので単独行動は好きな方でしたが、さすがに1年誰とも会わないとメンタルを病みました。
イギリスの調査では「孤独は1日にタバコ15本を吸うのと同じくらい身体に悪い」と言われるほどです。
自信を失う
鬱で仕事を辞めると、自分に自信をなくし、人生が終わったかのような気持ちになることがあります。
多くの人にとって、仕事はアイデンティティーの一部です。
たとえば大企業に勤めている自分に価値を感じていた人は、仕事を辞めた自分を無価値と感じてしまうでしょう。
僕は警察官に就職したとき、周りがすごく褒めてくれましたが、辞めたあとは、自分が何者でもないような気がして生きる意味がわからなくなりました。
生きる意味を見失う
多くの人にとって、仕事は生活の一部です。
そんな仕事を辞めてしまうと、心にポッカリ穴が空いたような気持ちになる人も多いです。
特に、仕事にやりがいを感じていた人は、仕事を辞めたことで人生が終わったような感覚になるでしょう。
周りからの視線が気になる
鬱で仕事を辞めたら人生終わりと感じてしまう原因の1つとして、周りからの視線が気になる点があります。
都会ならまだしも、地方の企業を鬱で辞めると、その噂は町中に広まりますからね。
これによって、鬱で仕事を辞めた人は「鬱で仕事を辞めた人」というレッテルを貼られてしまい、再就職のハードルが上がります。
僕はこのパターンで人生が終わりかけたよ。
なので僕は地方で就職するのを諦めて上京しました。
鬱で仕事を辞める前にすべき2つのこと
鬱でも仕事を辞めずにすむ方法があれば知りたい!
以下2つのアクションを試してみるといいよ。
- 人事や上司への相談
- 休職や部署異動、業務の量・内容を見直してもらう
- 休職する
- ライフスタイルや思考のクセを見直す
それぞれ説明しますね。
人事や上司への相談
鬱で仕事を辞める前に、人事や上司に相談してみてはいかがでしょうか。
休職や部署異動、業務の量・内容の見直しなど…。
相談すればリモートワークさせてくれるかもしれませんし、ダメ元で相談してみるのもアリですよ。
休職する
鬱で仕事を辞める前に、いったん休職させてもらい、ライフスタイルや思考のクセを見直すのもオススメです。
良質な睡眠とバランスの取れた食事、適度な運動をすればメンタルの状態が良くなることもあります。
また疲れていると、思考がネガティブになりがち。
いったん休職してゆとりある日々を過ごせば、思考のクセに気付くことができ、仕事を辞めずに済むかもしれません。
鬱で仕事を辞めた後にすべき6つのこと
次に、鬱で仕事を辞めた後にすべき6つのことを紹介します。
- 適切な治療やサポートを受ける
- 自分に合った生き方・仕事を探す
- 金銭的な負担を軽減する
- 友人や家族、周囲の人からサポートを受ける
- 健康的なライフスタイルの維持
- 小さな目標を立てて実行
適切な治療やサポートを受ける
鬱で仕事を辞めたら、まずは鬱を完治させることを優先しましょう。
インターネットや書籍で治療法を探すのもいいですが、1番は専門家の治療を受けることです。
通院することで、薬物療法、認知行動療法、心理療法など適切なアプローチを受けられます。
自分に合った生き方・仕事を探す
鬱になってしまった原因は人それぞれですが、なんらかのストレスがあったことには違いありません。
なので、これまでの生き方を見直して、新たな生き方・仕事を探すことをおすすめします。
専門家のカウンセリングを受けたり、ポジウィルキャリアのようなキャリア相談サービスを利用するのもいいです。
人と話す気分になれないなら、ASSIGNのような診断アプリを使ってみるのもいいでしょう。
いずれにせよ、これまでと同じ生き方・仕事をしていても鬱が治るどころか、再発するおそれがあるので何らかのアクションを起こすことをお勧めします。
金銭的な負担を軽減する
鬱で仕事を辞めるとしばらく働けないので、金銭的な不安が大きくなります。
金銭的な不安があると、適切な医療を受けられず、鬱を悪化させるおそれがあります。
なので以下の制度を活用し、金銭的な不安を軽減させることをおすすめします。
- 国民年金保険料の支払い免除
- 失業給付
- 生活福祉資金の貸付
- 職業訓練の受講
- 健康保険の切り替え
- 奨学金の減額返還、猶予申請
それぞれの制度・支援についてはこちらの記事を参考にしてください。
友人や家族、周囲の人からサポートを受ける
鬱になったら、友人や家族、周囲の人からサポートを受けることも大切です。
重度の鬱になると、布団から出たり、お風呂に入ることすら難しくなります。
こうなる前に、友人や家族、周囲からサポートを受けるように心がけるといいですよ。
鬱になる人は頑張り屋さんで、人に頼るのが苦手な人が多いです。
困った時はお互い様。
しんどいときは遠慮せず人に頼ろう。
健康的なライフスタイルを確立し維持する
鬱になる原因はさまざまですが、不健康な生活をしていいはずがありません。
一説によれば、鬱の原因は脳の炎症と言われています。なので鬱を治すためには、脳の炎症を治すことが重要。
脳の炎症を治すためには、
- 睡眠
- 食事
- 運動
この3つの生活習慣を整えると良いとされています。
いきなり全てを完璧にするのは難しいでしょうから、1つずつ整えていくといいでしょう。
鬱だったときは警察官で24時間勤務をして、不健康なライフタイルを送っていたよ。
鬱が完治した現在は、7-8時間睡眠を取るようにし、食事はジャンクフードを避け、週3回はジムに行くようにしています。
他にも、自分だけのストレス解消法をいくつか用意しておくと、ストレスでパンクせずに済みますよ。
小さな目標を立てて実行
小さな目標を立てて少しずつクリアすることで、自信を取り戻すことができ、最終的に社会復帰できるでしょう。
ただし、いきなり大きな目標を立てると挫折してしまうので、小さな目標で大丈夫です。
- 朝8時に起きる
- 30分は外に出る
- 野菜を食べる
など小さな目標で構わないので、少しずつステップアップしていきましょう。
千里の里も一歩から!!
よくある質問
- 鬱で仕事辞めたら転職先にバレる?
-
源泉徴収票を提出したときにバレる可能性があります。
なぜなら源泉徴収票に記載されている給与が少ないと、「給料をもらっていない期間があったのでは?」と思われるからです。
しかし『給料をもらっていない期間=鬱』と特定されることはありませんし、言う必要もありません。
なので転職先に何か聞かれても『親の介護で2ヶ月ほど休職していた』と伝えればいいです。
- 鬱を隠して転職しても大丈夫ですか?
-
業務に支障がないなら伝える必要はありません。
また鬱になった経験があっても、完治しているなら伝える必要はありません。
まとめ:鬱で仕事辞めても人生終わりではない
人生は失敗の方が多いです。大切なのは同じ過ちを繰り返さないことです。
失敗から学んで成長できれば、失敗は失敗ではなくなります。
鬱になると人生を投げ出したくなりますが、そこをグッとこらえて、もう少しだけ頑張ってみませんか?
時間はかかりますが、今できることをコツコツ積み上げていけば、かならず明るい未来が待ってますよ。
というわけで今回は以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました。