3年働く本当の意味|仕事は3年耐えるべき?
『なぜ3年働く必要があるんだろう』
『3年働く意味ってあるのかな?』
『とりあえず3年働け…』これは、昔から言われています。
しかし令和になってガラケーを使っている20代がいないのと同じで、『とりあえず3年働け』という言い伝えは時代遅れになりつつあります。
本記事では20代で5度の転職を経験したボクが『とりあえず3年働く』本当の意味を解説していきます。
5度の転職を経験して気がついたことを全てお伝えしていくので、『今の仕事をこのまま続けてもいいのか』悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
3年働く本当の意味
さっそく結論からお伝えしていきます。
『とりあえず3年働く本当の意味』は以下の5つです。
会社の都合
1つ目は『会社の都合』です。
そして会社の都合には以下の2つがあるので、それぞれ説明しますね。
採用コストを回収するため
株式会社プロ人事によると、新卒採用の場合、1人当たりの採用コストが60万円〜80万円程度が目安とされています。
一方、中途採用を人材紹介などを活用して採用する場合は100万円〜150万円程度、求人広告で採用する場合は80万円〜100万円程度かかると言われています。
企業イメージの悪化を防ぐため
3年以内に仕事を辞める人が増えると『早期退職率(※)』というデータの数値が悪化します。
※早期退職率:就職してから3年以内に退職する人数の割合のこと
そして早期退職率の数値が悪化すると「この会社はブラックなのでは?」と思われてしまい、企業イメージが悪化します。
すると『新しい人を採用したいのに募集してくる人がいない…』という状況になってしまい、会社の経営に悪影響を与えてしまいます。
以上の理由から、企業は社員に『とりあえず3年は働いてほしい』と願うわけです。
一人前の社会人になるには3年かかるから
2つ目は「一人前の社会人になるには3年かかるから」という理由です。
なぜならどれだけ優秀な人間でも、会社のルールを覚えたり、仕事の流れや専門用語を覚えるには時間がかかるからです。
例えば入社1年目は、会社のルールやビジネスマナーを学び、2年目は上司のアドバイスを受けながら仕事を覚えます。
そして3年目には1人で基本的な仕事ができるようになり、4年目には自分の頭で考えて行動できるようになります。
もちろん人によって成長スピードは違いますが、ほとんどの会社がこのようなスパンで社員を育成します。
3年経たないと仕事の楽しさがわからないから
3つ目は『3年経たないと仕事の楽しさがわからないから』です。
入社1年目は社内ルールや人の名前を覚えことが大変なので、仕事を楽しむ余裕なんてありません。
このように、どんな分野でも初めのうちは楽しむ余裕などありません。
ことわざに影響されている
4つ目は『ことわざに影響されている』ことです。
例えば『石の上にも三年(※)』は有名なことわざですね。
※冷たい石の上でも、三年もすわり続けていれば石が温まってくる。最初は辛くとも、三年も辛抱すれば報われることのたとえ。
出典:コトバンク
なので、日本では入社した会社をすぐに辞めることにネガティブなイメージを持たれがちです。
退職金がもらえないから
5つ目は『退職金がもらえないから』です。
厚生労働省の『退職手当制度』によると、勤続3年以上から退職金を支払う企業が42.2%となっており最多でした。
出典:厚生労働省「退職手当制度」
転職活動で不利になる時代があったから
6つ目は「転職活動で不利になる時代があったから」です。
というのも、昔は年功序列・終身雇用が当たり前の時代だったので、転職はリスクが大きいとされていました。
ですが今はトヨタなどの大企業でも『終身雇用を維持できない』と宣言する時代です。
さらにスマートフォンが急速に普及したように、今は時代の変化が激しいです。
なので昔の3年は今でいうと1年くらいの感覚と言っても大げさではありません。
先ほど『石の上にも三年』ということわざを紹介しましたが、これも今となっては時代遅れです。
とりあえず3年の3年が過ぎたら転職しても良いの?
ここまで読んだあなたは、このような疑問を感じたのではないでしょうか?
この章では『とりあえず3年働く』の3年が過ぎたら転職しても良いのか?という疑問にお答えしていきます。
新卒3年以内で転職するのはダメ?
結論:新卒3年以内に転職しても大丈夫です。
なぜなら厚生労働省報告したデータによると、令和2年における入社3年以内の離職者は短大卒で41.4%、高校卒36.9%、中学校卒55.0%、大卒31.2%だからです。
新卒が3年で辞めるのはアリ?
結論:アリです。
なぜなら先ほど紹介した厚生労働省報告したデータによると、令和2年における入社3年以内の離職者は短大卒で41.4%、高校卒36.9%、中学校卒55.0%、大卒31.2%だからです。
さらに『勤続年数が長い=転職に有利ではない』ことが「35歳転職限界説」の再検討という論文によって明らかになりました。
どれだけ勤続年数が長くても転職後は前の会社のやり方が通用しません。
なので勤続年数が長くても転職で有利になるとは限らないんです。
3年で転職を繰り返すのはアリ?
転職を繰り返すことはオススメしません。
ただし我慢できないなら転職してもOKです。
なぜなら仕事でメンタルを壊すと、もとに戻るまで時間がかかるからです。
なので転職を繰り返すことをオススメはしませんが、メンタルを守るためなら転職してもOKです。
3年で転職するのは早い?
そんなことはありません。
繰り返しになりますが、厚生労働省報告したデータによると、令和2年における入社3年以内の離職者は短大卒で41.4%、高校卒36.9%、中学校卒55.0%、大卒31.2%です。
なので3年で転職するのは、わりと普通です。
3年働くメリット・デメリット
ここまでは『とりあえず3年働け』と言われる本当の理由を解説しました。
ここからは、とりあえず3年働くメリット・デメリットをお伝えしていきます。
とりあえず3年働くメリット
仕事の楽しさに気がつける
とりあえず3年働くことで、つまらないと思っていた仕事の楽しさに気がつけることがあります。
なぜなら1年目・2年目の時よりも、できる仕事が増え、ある程度自由に仕事ができるようになるからです。
仕事もゲームと同じで、基本ルールさえ覚えてしまえば自由に行動できるので楽しくなることが多いです。
仕事がラクになる
とりあえず3年働くと1年目の時よりも効率良く仕事をできるようになるため、仕事がラクになります。
なのでとりあえず3年働くことで、1年目のときよりも仕事がラクに感じるというメリットがあります。
退職金をもらえる
退職金制度のお話でも言いましたが、厚生労働省の『退職手当制度』によると、勤続3年以上から退職金を支払う企業が42.2%となっており最多でした。
3年働くデメリット
次にとりあえず3年働くデメリットをお伝えしていきます。
それぞれ説明していきますね。
第二新卒として転職できなくなる
とりあえず3年働くと第二新卒(※)として転職活動できなくなるので、応募できる求人が減ります。
※第二新卒:主に大学卒業後に新卒で入社して社会人経験が2~3年未満の若手ビジネスパーソンのこと。
実際、『勤続年数が長い=転職に有利ではない』ことが「35歳転職限界説」の再検討という論文によって明らかになっています。
なので、とりあえず3年働くと転職チャンスを逃すリスクがあります。
転職のハードルが上がる
上記で説明したとおり、とりあえず3年働くと第二新卒として転職活動できなくなるので転職のハードルが上がります。
昔は新卒3年以内で辞めた人にネガティブなイメージがありましたが、最近は企業も第二新卒を優先して採用するようになっています。
また『企業は新卒採用をどのように位置づけているのか』という論文によると、企業は第二新卒に対して以下のポジティブなイメージを持っています。
- 新卒採用に比べ採用コストや初期教育費用がかからない
- 基礎的なビジネス常識があり早期戦力化しやすい
- 第二新卒以外の中途と比較すると、まだ他社の色に染まっていない
- やりたいことが明確で向上心を持つ
- 同世代の新卒採用社員への再刺激や活性化が期待できる
居心地が良くなってしまう
とりあえず3年働いてしまうと苦しい職場にも慣れていき、転職することがメンドウになります。
例えるなら動物園のゾウと同じです。動物園のゾウは小さい頃から鎖でつながれているので、逃げようとしません。
とりあえず3年働くと動物園のゾウと同じように、イヤな職場に慣れてしまい、転職という選択肢すら考えなくなってしまいます。
そして最悪の場合、心と身体が限界になり働けない状態になってしまいます。
3年働かなくても大丈夫な人の特徴
この章ではとりあえず3年働かなくても大丈夫な人の特徴を紹介していきます。
『第二新卒として転職できなくなる』というトピックでも説明しましたが、新卒3年以内に仕事を辞めても、第二新卒として転職活動できます。
なので以下で紹介する特徴に1つでも当てはまっていれば、新卒3年以内で退職することにビビる必要はありません。
やりたいことが明確な人
やりたいことが明確な人は、とりあえず3年働かなくても大丈夫です。
なぜなら入社して3年経ってしまうと、第二新卒として転職活動できなくなるからです。
なので、やりたいことが明確な人はとりあえず3年働かなくても大丈夫です。
ブラック企業で働いている人
次はブラック企業で働いている人です。
ブラック企業でとりあえず3年働こうとすると、ストレスで身体のがおかしくなってしまうからです。
それにブラック企業で3年働いてもスキルが身につかないだけでなく、第二新卒という貴重なカードを捨てることになります。
だからブラック企業で働いている人は、とりあえず3年働かずに転職しても大丈夫です。
働いている業界の将来性がない人
最後は『働いている業界の将来性がない人』です。
例えばコロナによって影響を受けた業界である、観光業界や航空業界で働いている人は3年働かずに転職しても大丈夫です。
ボクのように将来性のない業界で働いていると、急にクビになるリスクがあります。
なので働いている業界の将来性がない人は、とりあえず3年働かずに転職しても大丈夫です。
3年働いた方がいい人の特徴
この章ではとりあえず3年働いた方がいい人の特徴を紹介していきます。
本記事では『石の上にも三年』は時代遅れと言いましたが、人によっては3年頑張ったほうがいい人もいます。
もし以下で紹介する特徴に当てはまっていれば、とりあえず3年は働いた方がいいです。
仕事がつまらないと感じている人
『仕事がつまらない・やりがいを感じない・退屈だ』と感じている人は、とりあえず3年働いた方がいいです。
なぜなら『とりあえず3年働くメリット』で説明したとおり、とりあえず3年働くことで仕事の楽しさに気がつけるからです。
今の仕事にハッキリした不満がない人
今の仕事にハッキリした不満がない人は、転職してもすぐに辞めたくなるでしょう。
例えば『人間関係がイヤ』という理由で退職するなら、転職先は『人間関係が良好な職場』を探すようになりますよね。
なので今の仕事にハッキリした不満がない人は、とりあえず3年働いた方が良いです。
転職の目的が明確じゃない人
例えば『転職して年収をアップさせたい』や『ワークライフバランスを充実させたい』などの目的があれば転職しても大丈夫です。
逆に『なんとなく』や『仕事がイヤだから』という理由で転職すると、転職してもすぐに辞めたくなります。
なので転職で転職の目的が明確じゃない人は、とりあえず3年働くことをオススメします。
まとめ:3年働く意味はない
『とりあえず3年働く』という言葉は間違いではありません。
ただし最近はさらに時代の変化が激しくなっているので、やや時代遅れになっている感があります。
実際に昔は『新卒3年以内に退職=ネガティブ』なイメージがありましたが、『第二新卒』という新ジャンルが生まれています。
というわけで今回は以上です。
この記事を読んでくれたあなたが、良い転職できることを願ってます!
それでは。
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